国が違えば文化や価値観も違います。日本には日本のいいところがありますが、海外のいいところを看護師の働き方に取り入れれば、もっと働きやすくなるかもしれません。
アメリカが子育てしやすい国と言われているのは、職場の理解があるからです。子どもが熱を出したらリモートワーク。保育園から呼び出しがあればすぐ早退。子どもの用事での休みや早退。これらは全部、アメリカ社会では当たり前のことなんです。子どものことで仕事を休んだり早退することが「申し訳ないこと」になってしまう日本では考えられないですよね。アメリカ人は合理的な考え方が得意なので、やるべきことさえちゃんとやっていればOK。男性だろうが女性だろうが、子どものために必要とあれば、休みも早退も気にしません。これが可能なのは、男女ともに残業があまりないことも関係しています。
日本には「イクメン」なる言葉があって、「子育てに参加する男性はすごい!」みたいな風潮が少なからずありますよね。男女平等に対する認識は広がっていても、現実を見れば子育ての多くを担っているのは女性のほうです。保育園や学校で子どもになにかあれば、特に指定しない限り最初に連絡が行くのは母親かもしれません。一方のアメリカでは、平日も休日もなく男性が子育てに参加しています。そんな環境があるからこそ、アメリカの女性は年齢に関係なく活躍できるんですね。
アメリカでは保育園にすぐ入ることができます。ただし費用はかなり高くて、1ヶ月10万円を超えるなんて当たり前です。費用の面ではかなりイタイものの、預けたいと思い立ってから1週間後には預けられるような環境がアメリカにはあります。保育園で軽い朝食を出してもらえるので、朝の子どものお世話は出かける支度だけでいいんです。持ち物全部にひたすら名前を書いたり手作りしたりする必要も、もちろんありません。これなら親も働きやすいですよね。
アメリカにも日本のような通勤ラッシュがありますが、よほどの都市部でもない限り日本ほどの過密感はありません。郊外なら渋滞なしの広い道路を通ってゆったり車通勤です。忘年会に新年会、歓送迎会に接待などのつき合いは、1分1秒の時間が惜しい子育て中の人にとっては苦しみのもとだったりしますよね。アメリカにもつき合いはありますが、職場のつき合いは業務時間内に行うのが基本です。
日本では、「0歳児を保育園に預けるなんてかわいそう」という声がまだ根強く残っています。狭いコミュニティの中にいれば、結婚や出産、育児などのプライベートによけいな口出しをする人が現れたりもします。「家事を完璧にこなしてこそいい母親」のような価値観を押しつけられることもあります。人は人、自分は自分が基本のアメリカにはない価値観です。
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